前の記事では、僕が英語学習を何度も始めては続かなかったこと、オンライン英会話や英会話アプリを試していく中で、
「英語を勉強したい」というより、「自分が本当に言いたいことを話したい」のかもしれない。
と気づくまでを振り返りました。
では、そもそも僕はなぜ、そこまで「自分のことを話したい」と思っていたのか。
その答えは、すぐには分かりませんでした。
英会話システムを作りながらChatGPTのJarvisと話していたとき、ずっと昔の記憶が突然つながったんです。
この記事で振り返るのも、現在のUNSTRAY Englishになる前、「ECM(English Conversation Map)」と呼んでいた頃の話です。
現在は仕組みを大きく見直し、UNSTRAY Englishとして開発を続けています。
ただ、ここで見つかった原点は、今にもつながっています。
英会話システムを作るはずが、自分自身の話になっていった

当時、僕はChatGPTを使って英会話の練習システムを作っていました。
最初の目的は、かなり普通です。

英語を学べる仕組みを作りたい
そんなところから始まっていました。
ChatGPTを僕はJarvisと呼んでいます。
そのJarvisと、
レベルをどう分けるか。
レッスンをどう進めるか。
どんな質問ならユーザーが答えやすいか。
そんなことを延々と話していました。
僕の中では「戦略会議」ですが、実際にはChatGPTとのチャットです。
その中で、

完全にランダムな話題より、ある程度テーマを絞った方が話しやすいんじゃないか
という話になりました。
では、

人は、どんな話なら熱量を持って話したくなるんだろう。
趣味。
好きな映画。
推し活。
恋愛。
最近ハマっているもの。
家族のこと。
自分が本当に興味を持っていることなら、多少うまく話せなくても、何とか伝えようとします。
単語が出てこなければ、知っている言葉を探す。
身振り手振りを使う。
場合によっては日本語を混ぜる。
それでも話したい。
前の記事で見えてきた「自分の会話」という考えが、ここでもまた出てきました。
「言いたいこと」を先にすればいいんじゃないか

僕はJarvisに、こんなことを話しました。

自分の興味があることについて語るときに、英語で言えなかったら日本語で語ってもらって、それをAIが英語化したら結構効果的じゃないかな
先に英語を用意するのではありません。
まず、
「これを話したい」
がある。
それを英語にする。
Jarvisはこの考え方を、

言いたいこと先行型ですね
と整理しました。
たとえば、
「最近ハマっているゲームがあって……」
「推しのライブに行って……」
そんな話が先に出てくる。
英語にできなければ、AIが助ける。
その人のレベルに合わせて短くすることもできる。
必要なら練習する。
つまり、
Conversation → English
であって、
English → Conversation
ではありません。
この順番なら、英語が出てこないことで思考そのものを止めなくてもいい。
僕には、それがすごく自然に思えました。
そしてJarvisとのこの会話をしていたときでした。
急に、ずっと忘れていた記憶が戻ってきました。
初めての海外旅行で感じた「もっと話したい」

僕にとって初めての海外旅行は、アメリカのウォルト・ディズニー・ワールド(WDW)でした。
当時の僕は、かなりのディズニー好きでした。
社内でも、
「Katzさんってディズニー好きなんですよね?」
と、初対面の人から話を振られるくらい。
キャラクターの名前も、かなり知っていました。
初海外もWDW。
その後10年くらい、海外旅行といえばほとんどWDW。
それくらい好きな場所でした。
もちろんパークそのものも楽しかったのですが、強く印象に残ったのは、人との距離感です。
ホテルの人も、パークのキャストさんも、楽しそうに話しかけてくれます。
簡単な英語を使ってくれていたのか、思っていたより聞き取れることもありました。
冗談っぽく、

きっとチップとデールのいたずらね
みたいなことを言ってくれる。
全部正確に理解できなくても、雰囲気は分かります。
僕も笑う。
それだけでも、ものすごく楽しかった。
でも同時に、もう一つの気持ちがありました。
もっといろんな話がしたい。
言いたいことは、いくらでもあった

話したいことがなかったわけではありません。
むしろ逆でした。

このアトラクション最高。

一番前のシートに座りたいです。

さっきグーフィーも来てたよ。

この近くに隠れミッキーある?

このレストランの雰囲気、好き。
大好きな場所です。
だから、話したいことはいくらでもありました。
頭の中には、次から次へと言葉が浮かびます。
でも、英語にできない。
単語が出てこない。
表現が分からない。
相手が冗談を言ってくれても、

Yeah!

Oh!

Nice!
くらいしか返せない。
楽しくないわけではありません。
むしろ楽しい。
だからこそ、
もっと面白く返したかった。
もっと笑い合いたかった。
もっとその場の空気に入りたかった。
今振り返ると、「悔しい」というより、
「もったいない」だったんだと思います。
せっかく大好きな場所にいる。
せっかく話しかけてくれている。
僕の中には話したいことがたくさんある。
なのに、それを外へ出せない。
当時は、そこまできれいに言葉にはできませんでした。
でもJarvisと「言いたいことを先にする」という話をしていたとき、その記憶が突然戻ってきました。

ああ、僕はこういうのが欲しかったんだ
と。
ECMの原点は、「もっといろんな話がしたかった」

もともと僕が英会話システムを作り始めた理由は、もっと単純でした。
英語が話せるようになりたい。
英会話アプリに少し違和感がある。
AIならもっと自分に合ったものが作れるかもしれない。
そんなところから、自分用の英会話システムを作りました。
それが面白かったので、

これを誰でも使えるようにしたら、いいものができるんじゃないか
と思うようになりました。
ところが、他の人も使えるシステムを考えていくうちに、一度行き詰まります。
作れば作るほど、

今ある英会話教材と何が違うんだろう
と思うようになった。
そして何より、
自分で作っているのに、

やっていてつまらなかった。
そこで一度、途中まで作っていたものをやめました。
ただ、その時点では新しい答えを持っていたわけではありません。
単に、

これじゃない
と思っただけです。
そこから作り直して、Jarvisとの会話を重ねていく中で、ようやく昔のWDWの記憶とつながりました。
僕が欲しかったのは、
英語をたくさん覚える仕組みそのものではありませんでした。
あのとき言えなかったことを、言えるようになること。
自分が本当に話したいことを、そのまま外へ出せること。
ECMの原点は、WDWで感じた「もっといろんな話がしたかった」だったんだと思います。
「英語を教える」より、「口を開ける」仕組みへ

それまでは、
「英語が話せるようになること」
を目的にしていました。
でも、それを目的にすると、どうしても、
覚える。
理解する。
練習する。
という「勉強」の道へ戻っていきます。
もちろん、それらが必要ないという話ではありません。
僕自身、基礎が必要なのは分かっています。
ただ、自分が始める場所はそこではなかった。
まず、

これを話したい
がある。
言えなければ、日本語でもいい。
AIに助けてもらってもいい。
それを自分の言葉として英語にして、使ってみる。
そこで初めて、
「もっと言いたい」
「もう少し話せるようになりたい」
という気持ちが出てくる。
だから当時の僕は、ECMを、
「英語を教えるシステム」ではなく、「言いたいのに言えなかった人の口を開くシステム」にしたい。
と考えるようになりました。
英語圏の人と話していて、

何を言っているのか分からない。

聞けたけど返せない。

笑いたいのに、うまく反応できない。

感謝をもっと伝えたい。

冗談を返したい。

もっと自分らしく話したい。
そんな経験をした人は、僕以外にもいると思います。
当時、この仕組みを「English Conversation Map」、ECMと呼んでいました。
「英会話の迷わない地図」を作りたい。
そんな思いから付けた名前です。
現在、そのECMは形を変えています。
名称もUNSTRAY Englishになり、音声での会話を中心に、仕組みそのものをもう一度作り直しています。
昔のECMと現在のUNSTRAY Englishは、同じものではありません。
できることも、設計も変わっています。
それでも、
「もっといろんな話がしたかった」から始まること。
そこは、今も変わっていません。
僕にとって英語は、正解を並べるためのものではなく、
自分の中にあるものを、誰かへ届けるための道具です。
あのときWDWで言えなかったことに、もう一度戻れるような仕組みを作る。
それが、今のUNSTRAY Englishにも続いています。
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